不動産の売却によって売却益が出た場合、「譲渡所得税」という税金を納付する必要があります。
そもそも譲渡所得税とは、不動産の売却により生じた所得(利益)に対してかかる税金のことを言います。
譲渡所得税は、簡単には以下の計算式にて算出する事ができます。
「譲渡所得税=課税譲渡所得 ☓ 譲渡所得税の税率」
なお、課税譲渡所得は以下の計算式にて算出する事ができます。
「課税譲渡所得=売却価格—(購入価格+購入時にかかった諸経費+売却時にかかった諸経費)」
税率に関しては、原則として長期譲渡所得と短期譲渡所得に分けられます。
長期と短期の区分は次のとおりです。
長期所有 譲渡した日の属する年の1月1日において所有期間が5年超
短期所有 譲渡した日の属する年の1月1日において所有期間が5年以内
また、長期譲渡所得と短期譲渡所得の税率は次のとおりです。
譲渡所得の種類 |
所得税 |
住民税 |
長期譲渡所得 |
15% |
5% |
短期譲渡所得 |
30% |
9% |
それでは具体例をもとに譲渡所得税の計算を行いましょう
平成9年4月1日に土地を売買代金6000万円にて取得し、その他取得時の仲介手数料・登記費用は300万円かかりました。その後、平成25年9月に8000万円にてその土地を売却しました。譲渡費用は、350万円でした。この場合の譲渡所得税はいくらになりますか?
8000万円-(6300万円+350万円)=1350万円
所得税 1350万円×15%=202万5000円
住民税 1350万円× 5%=67万5000円
譲渡所得税の計算の基本は以上のとおりです。
譲渡所得税の計算をする上で注意が必要なのは、不動産購入時よりも売却時の方が安かった場合でも、建物の減価償却費の関係で譲渡所得税が課税される恐れがあることです。
不動産を売却する場合には、一度どれくらいの譲渡所得税がかかるかあるいはかかる可能性があるかを考えるべきです。